測量や建物の点検、畑への農薬散布。ドローンを仕事に使う会社が増えています。この記事では、ドローンで事故が起きたときに「どんなお金が出ていくのか」と「どう備えるか」を整理します。

登録は37万機超。2025年10月から保険のルールも

100g以上のドローンは、2022年6月20日から国への登録が義務になりました。国土交通省によると、登録数は2026年5月末時点で37万機を超えています。

さらに、2025年10月1日以降に新しく出す飛行の許可・承認の申請からは、総重量25kg以上の機体を飛ばす場合に「第三者賠償責任保険」(他人にケガをさせたり物を壊したりしたときの賠償に備える保険)への加入が必要になりました。大型の散布用ドローンなどが当てはまることがあります。

25kg未満の機体なら加入は義務ではありません。ただ、事故の賠償は機体の重さに関係なく発生します。

事故のときに出ていくお金と、備え方

出ていくお金は大きく2つです。1つは、人や車・建物に当たったときの賠償。もう1つは、自社の機体の修理や買い替え、作業が止まる間の損失です。

リスクファイナンス(お金の面での備え)の中心は「移転」と「保有」です。

  • 移転(保険に任せる):第三者への賠償は保険で。機体の壊れや紛失は、別の機体保険で備える形が一般的です。
  • 保有(自社のお金で受け止める):免責金額(保険で出ない自己負担分)や、小さな修理・代わりの機体を借りる費用は、手元資金で受け止める考え方です。

なお、点検や飛行前の確認、操縦者の訓練で事故を減らすことは「軽減」といい、厳密にはリスクコントロール(事故そのものを減らす取り組み)の領域です。実務では3つを組み合わせます。

注意したいのは、会社で入っている賠償責任保険が、契約によってはドローンなどの航空機による事故を対象外にしていることです。「入っているから大丈夫」と思わず、証券の内容を確認しておくと安心です。

石垣島など沖縄の離島では、海からの強い風や潮風(塩分)で機体が傷みやすく、修理や代わりの機体が届くまで時間もかかりがちです。止まっている間の売上も含めて考えておきたいところです。

自社で書き出してみましょう

  1. 自社のドローンは何台あり、それぞれの総重量と使い道は何ですか。
  2. いまの保険で、第三者への賠償と機体の損害は、それぞれ補償されていますか。
  3. 機体が1か月使えなくなったら、いくら手元資金があれば仕事を続けられますか。

まとめ

ドローンの事故は、他人への賠償と自社の損失の2つに分けて考えると整理しやすくなります。大きな賠償は保険に移し、小さな損失は手元資金で受け止める。その線引きを、自社の使い方に合わせて決めておくことが第一歩です。

参考資料

  • 国土交通省 航空局 案内資料(総重量25kg以上の無人航空機の飛行に係る第三者賠償責任保険の加入/2025年10月1日以降の申請に適用)https://www.mlit.go.jp/common/001909323.pdf
  • 国土交通省「無人航空機の登録制度」(登録数は2026年5月末時点)https://www.mlit.go.jp/koku/content/001443264.pdf

本記事は一般的な情報提供であり、個別の保険契約・税務判断・資金繰り・投資判断等を助言するものではありません。実際の判断は、自社の状況に応じて、保険会社・保険代理店・保険仲立人・税理士等の専門家にご相談ください。ドローンの飛行の許可・承認については、国土交通省(航空局)の最新情報をご確認ください。

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