リース中の機械が台風で壊れたら?残る支払いと保険の範囲
コピー機、厨房機器、工作機械。設備をリースで使う会社は多いはずです。リース事業協会によると、2025年度のリース取扱高は5兆2,984億円で、前年度より4.2%増えました。
この記事で分かること:リースの設備が台風や火事で使えなくなったとき、だれが何を払うのか。そして、保険で移せる部分と、自社で持つ部分の分け方です。
「借り物」でも、壊れたときの負担は自社
ここでは、設備リースで一般的な「ファイナンス・リース」(リース会社が代わりに設備を買い、利用者が期間中リース料を払う契約)を前提に考えます。物件の持ち主はリース会社ですが、契約上、壊れたときの修理費などは利用者側が負担するのが一般的です。レンタルなど契約の種類によって扱いは異なります。
リース事業協会の参考契約書の説明では、物件が壊れたりなくなったりしても、原因を問わずリース料の支払いは拒めないとされています。物件がなくなった(滅失した)場合は、会社がリース会社に損害賠償金を払い、契約が終わります。修理できる損傷なら、修理代も原則として借りている側の負担です。
リースは原則として途中で解約できません。設備が使えないのに、支払いだけが続くこともありえます。
リース会社の保険で足りる部分、足りない部分
多くのリース契約では、リース会社が「動産総合保険」(物の偶然の事故を広く補償する保険)を付けています。参考契約書の説明では、物件がなくなったとき、保険金の範囲で損害賠償金の支払いを免れるとされています。
ただし、範囲には限りがあります。リース会社の案内には、次のような例があります。
- 地震・噴火・津波による損害は対象外
- 故障・自然の消耗・さびは対象外
- 保険金が支払額に届かないときは、差額は利用者の負担
条件はリース会社や契約ごとに違います。まず自社の契約書と保険の案内を確認することが出発点です。
また、この保険は設備そのものの損害が中心です。動産総合保険の基本補償だけでは、設備が止まっている間の売上の減少は、通常は対象になりません。休業中の利益は、休業損失・利益保険などの別の保険(移転)か、手元資金(保有)で考えます。石垣島などの離島では、代わりの機械が届くまでに日数がかかります。止まる期間を長めに見ておくと安心です。
なお、設備の固定や浸水しにくい場所への設置は、損害そのものを減らす「軽減」です。厳密にはリスクコントロールの領域ですが、実務では移転・保有と組み合わせて考えます。
自社で書き出してみましょう
- リース中の設備を一覧にし、それぞれの残りの支払額と、止まると困る度合いを書き出せますか。
- 各リース契約の保険で、地震・津波・故障が対象外になっていないか確認しましたか。
- 保険で足りない差額と、止まっている間の売上減を、手元資金でどこまで持てますか。
まとめ
リースの設備は「借り物だから安心」とは限りません。リース会社の保険で移せる部分を確かめ、残りを自社の保険と手元資金でどう持つかを決めておく。台風シーズンが終わった今こそ、契約書を見直す良い時期です。
参考資料
- 公益社団法人リース事業協会「リース統計(2025年度)」(2026年5月28日公表)
- 公益社団法人リース事業協会「リース契約書の主な条項」(参考契約書の説明、2026年11月確認)
- 株式会社クレディセゾン「動産総合保険受付について」(2024年4月現在)
- ダイキン(ac.daikin.co.jp)リースの案内「動産総合保険」(2026年11月確認)
本記事は一般的な情報提供であり、個別の保険契約・税務判断・資金繰り・投資判断等を助言するものではありません。実際の判断は、自社の状況に応じて、保険会社・保険代理店・保険仲立人・税理士等の専門家にご相談ください。リース契約の内容は、契約先のリース会社にもご確認ください。
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