台風のあと、保険金の請求を忘れていませんか。「請求できるのは原則3年」の基本
保険に入っていても、請求しなければお金は届きません。この記事では、保険金を請求できる期間の基本と、請求もれを防ぐための準備を整理します。読み終えたら、自社の契約を一度見直すきっかけにしてください。
請求できるのは「原則3年」
保険法(保険のルールを定めた法律)では、保険金を請求する権利は、請求できる時から3年間使わないと時効で消える、とされています(保険法第95条)。いつから数えるか、手続きの期限などは、契約の約款(保険の細かい決まり)で確認が必要です。
また、損害保険では、損害が起きたと知ったら、保険会社へ「遅滞なく(すぐに)」知らせることも法律で求められています(保険法第14条)。3年あるから後でいい、ではなく、まず連絡が基本です。
2026年6月の台風6号では、沖縄本島で停電が最大51時間続きました(琉球新報、2026年6月3日)。看板やフェンス、雨漏り、停電による商品の傷みなど、小さな被害ほど「保険の対象か分からない」と後回しになりがちです。
請求もれを防ぐ3つの準備
- 被害はすぐ写真に残す:片付ける前に、全体と近くの両方を撮っておきます。修理の見積書や領収書も保管します。
- 契約の一覧をつくる:保険会社名・証券番号・連絡先を1枚にまとめ、紙とスマホの両方に置きます。会社の契約は、事務所が被災しても確認できるよう、自社で控えを残しておくことが大切です。なお、災害救助法が適用された地域で契約の手がかりを失った場合に使える日本損害保険協会の「自然災害等損保契約照会センター」は、照会できるのが個人契約に限られます。
- 「無料で保険金が出る」勧誘は慎重に:まず契約している保険会社や代理店に相談します。なお金融庁は、保険金の請求に罹災証明書(市町村が出す被害の証明)は原則不要と案内しています。
保険は、損失を保険会社に引き受けてもらう「移転」の手段です。ただ、保険金が届くまでには時間がかかります。その間の支払いは、手元資金で持ちこたえる「保有」で支えます。リスクファイナンスでは、この2つを組み合わせて考えます。
自社で書き出してみましょう
- ここ3年で、台風や事故の被害があったのに、保険会社へ連絡していないものはありますか。
- 自社の保険の一覧(会社名・証券番号・連絡先)は、事務所が使えなくても取り出せますか。
- 保険金が届くまでの1〜2か月、手元資金で支払いを続けられますか。
まとめ
保険は請求して初めて役に立ちます。被害に気づいたら、すぐに連絡し、記録を残すことが第一歩です。台風が多い石垣島・沖縄・離島では、島外の保険会社とのやりとりに時間がかかることもあります。契約の一覧と手元資金を、台風シーズンの前に整えておきましょう。
参考資料
- 保険法(平成20年法律第56号)第14条・第95条(e-Gov法令検索)
- 金融庁「令和6年7月の大雨に係る災害等に対する金融上の措置について」(2024年7月)※罹災証明書の扱い
- 日本損害保険協会「自然災害損保契約のご照会」(2026年11月確認)※照会対象は個人契約
- 琉球新報「【台風6号】最大51時間 沖縄本島の停電、すべて解消」(2026年6月3日)
本記事は一般的な情報提供であり、個別の保険契約・税務判断・資金繰り・投資判断等を助言するものではありません。実際の判断は、自社の状況に応じて、保険会社・保険代理店・保険仲立人・税理士等の専門家にご相談ください。
自社の保険の請求もれや、備えの全体像を一度整理したい方は、リスクファイナンス研究所の初回相談をご利用ください。