日本を取り巻く8つのリスク

リスク①国家財政

2019年の日本の債務残高対GDP（国内総生産）比は230%となっており、諸外国と比べて非常に高い水準です。
「税収を上げる」か「歳出を減らす」ことで比率を改善させることができますが、日本政府は今後どのような政策を取っていくのでしょうか。
政府が公表する統計や資料などに目を通し、把握することが肝要です。
リスク②地震

首都直下型地震、南海トラフ地震は、今後30年間で70～80%の確率で発生するといわれています。
その被害額は地震発生後20年間で、首都直下型地震が約778兆円、南海トラフ地震は約1410兆円と試算。地震は「いつ発生してもおかしくない」ことを念頭に置き、普段からリスクマネジメントや備えが必要です。
リスク③自然災害（地震を除く）

台風、豪雨、噴火など、日本は地震以外の自然災害リスクも常に隣り合わせです。
2018年、2019年の災害関連の保険金の支払い総額は1兆円を超えました。現在においても、「50年に一度」「100年に一度」といった災害が毎年のように起きています。自然災害による損失なども見越した長期的な目線で今後の経営を見直しましょう。
リスク④人口減少

総務省の「人口統計」によると、日本の人口は約1億2500万人（2020年現在）で、前年より約52万人も人口が減少していることがわかりました。これは鳥取県の人口と同程度の数値です。
人口が減少していくと、経済成長、産業、社会保障、地域社会などに幅広く影響します。
リスク⑤ドイツ銀行の影響

ドイツ銀行が経営再建中ということはご存知でしょうか。
2008年にリーマン・ブラザーズが破綻した際の債務残高は約64兆円でした。
現在のドイツ銀行の債務残高は、約260兆円です（2019年末時点）。
また、デリバティブ（株式や金、原油などの原資産の価格を基準に価値が決まる金融商品のこと）や、CLO（ローン担保証券）の取引残高も超巨額となっています。
万が一、ドイツ銀行が経営破綻ということになった場合には、日本が受ける影響は計り知れません。
リスク⑥食料自給率

日本の食料自給率は
カロリーベースで38％（2019年度）と低い数値を記録。
単純に考えると、国内でまかないきれない約6割はすべて輸入に頼っていることがわかります。
今後、猛暑などの異常気象や天候不順、あるいは国際情勢などの理由により輸入が途絶えるかもしれません。
さらには爆発的な世界の人口増加に伴い、地球規模で食料不足に陥る可能性も。近い将来、日本の食生活は大きな影響を受ける恐れがあります。
リスク⑦海外送金厳格化

複数の口座に入金を繰り返し、資金の出どころをわからなくする「マネーロンダリング」。その対策などの理由から海外送金の窓口受付を停止している金融機関が増えています。
また、海外に居住する日本人（非居住者）が相続を行った場合、国外財産にかかる相続税が免除されるルールが移住から「5年」だったものが「10年」に延長されました。
そのほか海外移住時に資産が1億円以上ある個人に対して、所得税の課税を行う「国外転出時課税制度」も2015年から施行。海外への資産移転について厳格化が進んでいます。
リスク⑧報道の自由度

国際NGOの「国境なき記者団」が毎年発表している世界報道自由度ランキングにて、日本は世界で66位（2020年現在）、また5段階中の3段階目の「顕著な問題」に分類されています。
日本で日々報道されている情報は、はたして真実で公平・中立な情報なのでしょうか。