家庭の地震保険|割引と契約方式、更新前の基本
この記事で分かることは3つです。地震保険の割引には4つの種類があること。一部の保険会社では契約方式が見直されていること。そして、更新のときにご家庭で確かめたいポイントです。数分で読み切れる内容にしています。
地震保険は火災保険とセット。契約方式は会社ごとに違う
まず前提です。地震保険は、もともと火災保険に付帯して契約する仕組みです。火災保険だけでは、地震・噴火・津波が原因の火事や倒壊などは原則として補償されません。この部分に備えるのが地震保険です。地震というリスクを保険会社に引き受けてもらう、いわゆる「リスクの移転(自分で抱えず外に移す備え)」にあたります。
契約方式は保険会社や商品によって異なります。たとえば損保ジャパンでは、2025年9月1日以降に始まる個人用火災総合保険にセットする地震保険について、自動継続特約(毎年自動で更新する特約)を廃止し、地震保険の保険期間を火災保険とあわせる方式(1〜5年)に一本化しました。一方で、自動継続を続けている保険会社・商品もあります。更新のときには、自分の契約先の案内を確認することが大切です。
火災保険を見直すときには、地震保険の契約期間や継続方法、補償内容もあわせて点検しておくと、確認漏れを防ぎやすくなります。
割引は4種類、いちばん高い1つだけが使えます
地震保険には、建物の耐震性などに応じた割引が4種類あります。使い漏れがないか、確認しておきたいところです。
- 建築年割引:1981(昭和56)年6月1日以降に新築された建物なら10%
- 耐震等級割引:耐震等級1・2・3に応じて、10%・30%・50%
- 免震建築物割引:免震建築物なら50%
- 耐震診断割引:耐震診断などで基準を満たした建物なら10%
注意したいのは、複数に当てはまっても、重ねて使えない点です。いちばん割引率の高いもの1つだけが適用されます。割引を受けるには、建築年や耐震等級を示す書類(確認書類)が必要になります。
地震保険の保険料は、どの保険会社でも同じです。国と保険会社が共同で運営するしくみで、料率が共通だからです。だから「保険料の安い会社さがし」より、「割引の使い漏れがないか」「補償額が生活再建に足りるか」を確かめるほうが、家計への効き目は大きくなります。
補償額の目安も知っておきましょう。地震保険の保険金額は、火災保険の30〜50%の範囲で、建物と家財それぞれに設定します。上限は建物5,000万円、家財1,000万円です。あくまで生活の立て直しを助けるための備えという位置づけです。
石垣島・沖縄の視点も一言。沖縄県の地震保険料は、現在の基本料率では全国で最も安い区分ではありません。ただし、保険料の高い・安いだけで地震リスクの大きさを判断しないことが大切です。津波や地盤の影響には地域差があります。お住まいのハザードマップ(災害の想定を地図にしたもの)もあわせて確認しておきましょう。
わが家で書き出してみる
- いまの火災保険に地震保険はついているか。ついていないなら、次の更新でどうするか。
- 建物の建築年や耐震等級はわかるか。割引の確認書類は手元にあるか。
- 建物・家財の保険金額はいくらか。もしものとき、生活の立て直しに見合っているか。
まとめ
地震保険は、火災保険とセットで見直すのが基本です。一部の商品では契約方式も見直されています。更新のたびに、契約期間や継続方法に加えて、割引の使い漏れと、補償額が生活再建に見合っているかを確かめる。それだけで備えの質は変わります。正解はご家庭ごとに違います。まずは今の状態を書き出すことから始めてみてください。
参考資料
- 財務省「特集 地震に備える 地震保険の役割」(2025年9月)/「地震保険制度の概要」/「地震保険の基本料率」
- 損害保険料率算出機構「地震保険基準料率のあらまし」
- 日本損害保険協会「地震保険」
- 各保険会社の商品パンフレット・約款(例:損保ジャパン「地震保険 約款」2025年9月改定・自動継続特約の廃止)※契約方式は会社・商品ごとに異なります
本記事は一般的な情報提供であり、個別の保険契約・税務判断・資金繰り・投資判断等を助言するものではありません。実際の判断は、自社の状況に応じて、保険会社・保険代理店・保険仲立人・税理士等の専門家にご相談ください。
地震保険の見直しや、火災保険とあわせた備えの整理でお困りのときは、一般社団法人リスクファイナンス研究所の初回相談をご活用ください。